2017/07/22

アルモデルの加藤4トン【標準型・ショートボディ】のすゝめ

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前回の記事からおよそ1年、加藤4t再びです!
前回は2社の製品比較でしたが、今回はアルモデルの独壇場です。前回との1番の違いはそう、塗装が「緑」になったこと!!!

え、そうじゃないって?きっと興味のない人からしたら、そんなもんだと思います。

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冗談はさておき、1番の違いは動力装置を軌間が6.5mmのパワーマックスに変更したことです。
これにより、ラジエターが後退し、より格好良くなった4トン機でもキャブ内を潰すことなく動力化する事が出来ました。例によって製作途中は「アルカトウ4トンこと、アルモデルの加藤4tを乙(6.5mm)仕様で組む!【完成】 - Togetterまとめ」にまとめましたので、こちらを参照してください。

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もう一点、試みたことがあります。
それは「線を細くする」こと。単純に、線が細い方が細密に感じるだろうということで、今回はボンネットの長い手すりとラジエター保護棒にφ0.2の洋白線を使ってみました。

と書くのは簡単なのですがこれが実に大変で、そもそも0.3〜0.4くらいの線材用に穴が開いているので、綺麗に揃えてハンダするのは至難の技!保護棒に至っては線材をだいぶ無駄にして漸くといった具合。細密感は抜群ですがオススメはしません。

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サイドビュー。
軸箱周りは油が染み出すだろうとか、裾は砂埃がつくだろうと、いつも通りの軽いウェザリングに留めています。今回のイメージは『新車の風情』新しいものって最初はみんな丁寧に扱いますよね。そのうちに汚れ、使用感に溢れてきた『現場の風情』をまとった姿も素敵ではありますが、今回は他の思惑もあってこのような姿に。

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そうそう、屋根は着脱式です。こうしないと椅子の塗り分けが出来そうになかったのと、運転手も乗せられないという事情があって、こうなりました。よくよく調べると背もたれのない個体も多かったようです。

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やはり運転手が居ないとちょっと寂しいですね。先日、ようやく人形を買って来る事が出来ましたので、近いうちに塗って乗せようと思っています。

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2017/05/21

貨物側線のヌシ・ワールド工芸の半キャブを組む

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貨車移動機の定番「半キャブ」
かつては全国どこへ行っても見ることが出来たようですが、平成生まれの私は残念ながら数えるほどしかその姿を見たことがありません。しかし、そんなことは模型を作る上では関係ない!好きだから作る。否、作りました!

例によって製作に関してはこちら「ワールド工芸のリニューアル版・半キャブ(ロッド無し)を組む!【完成】 - Togetterまとめ」にまとめましたので、こちらをご覧ください。

この半キャブは協三製の10t機で、その整備重量はかの有名な木曽のキャブフォワードと同じです。また、協三製の10t機といえば以前作ったこちら「ワールド工芸の協三10t貨車移動機を組む - トロリーポール」とも被っていたりします。

前回はちょっとニッチな形態でしたが、今回は違います。あの半キャブ。そう、かの有名な半キャブ!(しつこい) 全国どの地方でも(多少の装備の差に目を瞑れば)サマになるオールラウンダー。否応にも気合が入ります。まぁ、気合の割には微妙な部分もありますが、第2第3の半キャブまではキットを確保しているので、そこを乗り越えたグレードアップ半キャブをいずれお目にかけることが出来るかと思います。

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さて、この半キャブですが、さすが全国各地に散っていただけあって、細部に目を向けると様々な形態の個体がいたことが分かります。製造時期による差であったり、環境からくる差であったり。たとえば雪国であればスノープロウや旋回窓を装備したもの。屋根の低い箇所や、屋外での使用が少ないからか、排気管が短く改造されていたり、屋根よりも先の部分が外されているものも。ステップの取付部が端梁の表に出ているもの裏に付けられているもの。輸送時のワイヤー固定用フックがあるもの無いもの。掴み棒の先端形状。貫通ブレーキを備えた個体や、旅客列車牽引用に走行部分に手を加えられたものなど、挙げはじめれば枚挙にいとまがない、実に選択の余地に満ちた楽しい車両です。この辺は、いわゆる大量生産された国鉄型の車両、103系や113系などに通じるものがあると思います。ただ1つ違うとすれば、しっかり管理されたあれらの車両のような記録が残っていないことでしょう。私が不勉強なだけかもしれませんが、全国に半キャブと呼ばれた車両が全部で何両いたのか、その正しい数すらわかる人は居ないと思います。

そこが産業用車両の面白いところであり、醍醐味であります。なぜか。答えは簡単です。どんな形態で作ろうが「どこかに居たかもしれない」という浪漫を秘めているのです。これって凄いと思いませんか? まぁ、世界の鉄道やナローの世界では珍しいことでも無いのですが、この感覚は特定番号モデリングではなかなか味わえないかと思います。

無論!特定番号というか、特定の個体を調べあげて再現するのも良いと思います。現に私も、次から作る半キャブは思い入れのある特定の個体を再現して製作する予定です。ここはもう作り手の「自由」ですから、買った人が好きに楽しめば良いのです。

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最後に1つ、これだけは申し上げたい。この半キャブ、上回りが超格好良い!プロポーションが抜群です。下回りだけはコストの問題かシルエットが少々残念ですが、さほど高いキットでもありませんから仕方のない所でしょう。気になるなら作り直せば良いのです。

半キャブが好き!半キャブの模型が欲しい!そういう方にはこのキット以外の選択肢は無いと言っても過言では無いでしょう。少々組むのは大変ですが、その苦労にしっかり応えてくれる良いキットです。おすすめです。
2017/04/23

ナローってよくわからない話

「ナローってなに?」
「Nゲージと何が違うの?」
「HOなのに線路はNゲージってどういうこと?」

ナローゲージャーなら1度は訊ねられたことがあると思います。
ナローを知らない人に、ナローの模型がどういうものなのかを伝えるのは案外難しく、私はとりあえず「本物がすごくちっちゃい車輌の模型なんですよ」と説明していますが、はたしてちゃんと伝わっているのやら……正直疑問です。
それに、この説明ではHOなのに線路がNゲージであることや、なぜNゲージとは違うのかは全く説明できていません。
そこで、あくまでも自分用ということで、ナローに係るスケール(縮尺)とゲージ(軌間)の名称をまとめておこうと相成った訳です。
そうして、とりあえず出来たのが下の図です。

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なるほど分かりづらい!
基本的には製品が手に入るものに絞りましたが「これは入れておいてほしい!」という声も反映したので、一部例外があります。同様に、日本では知られていないので省略したゲージも存在します。また、ナローを作るのが困難な小さなスケールも割愛させて頂きました。1/35の鉄道模型は一般的ではありませんが、ミリタリーが好きな方なら承知の通り、ミリタリー系のメーカーから数多くの小物やフィギュアが発売されており、可能性として非常に興味深いので表に加えました。名称はまだ無いので、仮にタミヤからあやかってMMとし、後ろにフィート数を加えました。

ここからが本題。
お叱りは覚悟の上で、ゲージ論で必ず揉める話題に触れていきます。
一度は耳にしたことがあるかもしれません「16番とHOは違うよ」という話。

私はその違いも分かりますし、もちろん混同して良いと言うつもりもありません。しかしその一方で、なぜ分けなければいけないのか、同じで良いじゃ無いか、私は気にしない。という人の気持ちもまた理解は出来ます(同意ではありません)。

それを踏まえた上で、間違いも含めNナロー、HOナロー、Sナロー、Oナローと呼ばれた場合に示すことが多いと思われるマスをそれぞれ赤、黄、水色、青で塗りつぶして見たのが次の図になります。

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猫屋線(JMk)はHOナローではない。たしかに呼称的にはそうなのですが、HOナローと同居出来るか?と訊かれたら、これは人によってはイエスになり得ると思います。OO9も同様でしょう。だからこそ、呼び分けることに抵抗のある人もいる訳で、これは正反対の主張ですから決着がつくことはないでしょう。この議論は望むところでは無いので今回に限らず私は触れないつもりです。

最後に見るのはプロトタイプとなる実物のゲージを当てはめたらどこに当たるのか。
世界基準で標準軌(1435mm)、日本に多い軌間としてサブロク(1067mm)、ニブロク(762mm)をそれぞれ赤、黄、緑で塗り分けてみました。

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プロトタイプが同じ軌間のはずなのにスケールが違ったり、ゲージが違ったり、16番とHOに限らず、結構適当なんだなぁ〜というのが個人的な印象です。これじゃあ勘違いが起きるのも納得というか、少し違う呼び方をしたからと目くじらを立てられれては初心者の方や大らかな方はたまったものじゃ無いでしょう。

そもそも、こうして表にまとめる契機になったのは、ツイッターでとあるフォロワーさんが「ナローって色々ありすぎてよくわからない」と言っていた事でした。それならせめて名前を見かけた時に、その模型がどんな縮尺に基づいて作られたものなのか、分かりやすい調べられる表くらいこさえておくのが、使命とまでは言いませんが、私が先達としてせめてもの出来る事かなぁと思った次第です。

人によっては、好き勝手に色々な呼び方を付けやがって!と思う向きもあるでしょう。しかし、その1つ1つの呼称の裏には、それぞれの理由や歴史がある訳で、あくまで私個人としては、分かりづらいからと言ってそれらを無かったことにするのはいかがなものなのかな?と思います。

という訳で、他の人が何をどう呼ぼうと構いませんが、私は極力上記の表に乗っ取って、あるいは包括的な表現(例えば9mmナローとか)で呼ぶことにしようと思ってるよ、というお話でした。


2017/04/15

屋久島酒井のこと

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お久しぶりです!すっかり更新をサボってしまいました。
今回は、日本のHOナロー・内燃機キットの中でも屈指の名作、屋久島酒井あらため酒井C17型を紹介します。
製造はかの「高塚営林署」で定価は23000円。入手難な製品は紹介……もとい自慢はあまりしないのがポリシーなのですが、それをおしても紹介する価値のある製品なので、思い切って記事にすることにしました。

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構成は基本的に洋白のエッチングで、屋根とボンネットは曲げ済み。台枠周りは板材に片側10個のロストワックスを奢る贅沢な作りです。前面にステップがあることから、武田産業に移管後の姿になります。

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武田産業に引き継がれたのち、現在の愛林になるのと前後してキャブ後妻の脇に補強のリブが追加されており、今回はオリジナリティを出すために(実際は武田産業のレタリングを作るのを避けたかったので)この部分を追加しました。

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屋根は基本的に接着が前提なのですが、驚異的な合いの良さのおかげで簡単に取り外し式にする事が出来ます。ドアも、とりあえずで両面テープで止めたのみ。窓のはめ込みが苦手なので、いつか上手くなったらしっかり仕上げようと思います……。

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キャブ内もしっかりと作り込まれており、追加した部品は一切ありません!モーターもボンネットに収まっており、製品を素組するだけでここまでの出来になるのはまさに驚異と言えます。ただ、さすがにモーター性能に限界があり超スローとまではいきませんでした。よくみると0608モーターなら入りそうなので、次に組むときは変更したいところです。シートの塗装はレザーを意識してタイヤブラックで塗ったところいい感じになりました^^

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ブログ主の1番のお気に入りはこの前梁の塗装。いさみやのカラープライマーを塗ったのちにセミグロスブラックを薄く重ね、生乾きの状態で爪楊枝でカリカリして剥がしてみました。

その他、特筆すべき点としては、ヘッドライトは取り付け選択式で、無しにすることも出来る他、素晴らしい造詣のお椀型ヘッドライトが2個封入されており、前後共につけることも出来ます。今回は愛林時代の再現のため、封入部品は温存し、少し小さめのワールド工芸の分売品を前側のみ取り付けています(現在は前側も撤去) 。つかみ棒もロストの微細な部品が入っているのですが、曲がりやすいので銀河のEF58用つかみ棒に変えています。黄色にはガンダム色のMSイエローを使用。そのままでは明るすぎるのですが、茶系でのウエザリングを見越して使ったところ程よく落ち着いて、なかなか良いチョイスが出来たと思います。

1番最後になり恐縮ですが、機関車を引き立てる存在感抜群な作業員たちは、現在アルモデルで販売中の栗島堂人形「DL作業員」を塗ったものになります。是非に塗りたいと言う父親に塗ってもらいました。



2017/01/30

トーマモデルワークスの谷村鉄工所タイプGLを組む

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新年明けまして、もう一ヶ月経とうとしている事実に愕然と……しているのはさておき、今年最初の記事はトーマモデルワークスの記念碑的な製品である、谷村式機関車のリニューアル製品です。

谷村鉄工所はかつて四国に存在し、魚梁瀬を筆頭に、四国の森林鉄道の機関車を製造していた会社であることは、ご存知の方も多いと思います。しかし、いざ模型を作ろうとすると、そのあまりのバリエーションの多さに驚くと同時に、手を加えようとすると、どうしたら良いんだろう……と悩み、手が止まるのでは無いでしょうか。どんなバリエーションがあるのか気になった方は、RMライブラリー「魚梁瀬森林鉄道」に目を通すことをオススメします。機関車の資料としてだけでなく、当時の空気が伝わる情景写真も多く見応えたっぷりです!

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話を戻して、そのRMライブラリーやフォロワーさんから頂いた画像、検索して見つけた画像を色々と見比べて、最小公倍数というか最大公約数というか、とりあえず「この部分はこの機関車!」と言えるだけのディテールを拾い集め、最大限の手抜きチョイスをして完成させたのが、この谷村です。

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追加工した箇所で1番目立つのは、このリアでしょう。元の部品は使わず、真鍮板とペアーハンズの東武アンテナ、コード40のレールを付けた部品を主に、φ0.3の洋白線で手すりを付けたりしてまとめました。これの元となった写真はRMLの表紙をめくった1ページ目にあります。蛇足ですが、ヘッドライトがオフセットしているのは代燃装置の炉を避けたためだと思われます。

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その他の言い訳と加工箇所・使用部品については、ざっとまとめると以下の通り。
・ロッドは丸棒タイプが圧倒的多数を占めるが普通の平棒タイプも存在していた(こちらを参照)ので製品のまま。
・プレート動輪の写真が見つけられなかったので、K氏の30HPコッペルの部品を使用。ロッドピン、連結器も同様にK氏の特製品(分けて頂きありがとうございました!)
・板っぽさを消すため、ホゾ組部分や端梁・床板を中心に加工。ステップは実車をみるとほとんどの場合付いていなかったようなので省略。
・ヘッドライトは良い市販部品が無かったためワールド工芸の分売部品を使用。本体が1つ300円、レンズは100円。サービスセンターに問い合わせれば買うことができます。
・ドアに関しては床板側に下部ドアレールを新設。
・塗装に関しては、RMLではダークブラウン、モデルワーゲンの野村組の製品紹介によれば濃いオレンジとあるので、退色したyoutubeのカラー映像も参考にしつつ、モデルワーゲン(西氏?)説の濃いオレンジを目指してMr.カラーのオレンジをベースに、極少量のブラウンとレッドを足した調色塗料で塗装。実際は錆止めに近い色だったのかもしれませんが、錆止め塗装ではあんまりなので模型的見栄えを優先しました。動輪、台枠が黒いのも同様の理由で、実車は車体色であったと思われる写真が多く残っていることも付記しておきます。

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そんな感じで完成した谷村ですが、如何でしょうか? 木製の部分の塗装にはまだ改良の余地ありといった感じですが、そこそこ上手くまとめられたと思います。代燃装置も載せたいよね……と思う方はきっと多くいるでしょうから、誰かが発表してくれるのを期待しています。というのも、あくまで私が個人的に模型を製作する上で大事にしているのが「ディテールの意味を理解する」という事で、言い換えれば1/1にしたとき走るような外見でありたい訳です。となれば当然、実物の構造を理解していないといけないわけで、そのためには木炭を用いた代用燃料装置を理解しないといけないわけですが、今のところ全く知識が追いついていません。あの一見スチームパンクにも通じる外観はとても魅力的なのですが、手がけるのはまだ先のことになりそうです。

最後におまけとして、これの前に組んだ素組の谷村の写真も貼っておきます。手を加えなくてもプロポーションが良いので十分に格好良いことが伝わると思います。谷村鉄工所GL、あなたならどう料理しますか?

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