2017/04/15

屋久島酒井のこと

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お久しぶりです!すっかり更新をサボってしまいました。
今回は、日本のHOナロー・内燃機キットの中でも屈指の名作、屋久島酒井あらため酒井C17型を紹介します。
製造はかの「高塚営林署」で定価は23000円。入手難な製品は紹介……もとい自慢はあまりしないのがポリシーなのですが、それをおしても紹介する価値のある製品なので、思い切って記事にすることにしました。

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構成は基本的に洋白のエッチングで、屋根とボンネットは曲げ済み。台枠周りは板材に片側10個のロストワックスを奢る贅沢な作りです。前面にステップがあることから、武田産業に移管後の姿になります。

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武田産業に引き継がれたのち、現在の愛林になるのと前後してキャブ後妻の脇に補強のリブが追加されており、今回はオリジナリティを出すために(実際は武田産業のレタリングを作るのを避けたかったので)この部分を追加しました。

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屋根は基本的に接着が前提なのですが、驚異的な合いの良さのおかげで簡単に取り外し式にする事が出来ます。ドアも、とりあえずで両面テープで止めたのみ。窓のはめ込みが苦手なので、いつか上手くなったらしっかり仕上げようと思います……。

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キャブ内もしっかりと作り込まれており、追加した部品は一切ありません!モーターもボンネットに収まっており、製品を素組するだけでここまでの出来になるのはまさに驚異と言えます。ただ、さすがにモーター性能に限界があり超スローとまではいきませんでした。よくみると0608モーターなら入りそうなので、次に組むときは変更したいところです。シートの塗装はレザーを意識してタイヤブラックで塗ったところいい感じになりました^^

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ブログ主の1番のお気に入りはこの前梁の塗装。いさみやのカラープライマーを塗ったのちにセミグロスブラックを薄く重ね、生乾きの状態で爪楊枝でカリカリして剥がしてみました。

その他、特筆すべき点としては、ヘッドライトは取り付け選択式で、無しにすることも出来る他、素晴らしい造詣のお椀型ヘッドライトが2個封入されており、前後共につけることも出来ます。今回は愛林時代の再現のため、封入部品は温存し、少し小さめのワールド工芸の分売品を前側のみ取り付けています(現在は前側も撤去) 。つかみ棒もロストの微細な部品が入っているのですが、曲がりやすいので銀河のEF58用つかみ棒に変えています。黄色にはガンダム色のMSイエローを使用。そのままでは明るすぎるのですが、茶系でのウエザリングを見越して使ったところ程よく落ち着いて、なかなか良いチョイスが出来たと思います。

1番最後になり恐縮ですが、機関車を引き立てる存在感抜群な作業員たちは、現在アルモデルで販売中の栗島堂人形「DL作業員」を塗ったものになります。是非に塗りたいと言う父親に塗ってもらいました。



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2017/01/30

トーマモデルワークスの谷村鉄工所タイプGLを組む

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新年明けまして、もう一ヶ月経とうとしている事実に愕然と……しているのはさておき、今年最初の記事はトーマモデルワークスの記念碑的な製品である、谷村式機関車のリニューアル製品です。

谷村鉄工所はかつて四国に存在し、魚梁瀬を筆頭に、四国の森林鉄道の機関車を製造していた会社であることは、ご存知の方も多いと思います。しかし、いざ模型を作ろうとすると、そのあまりのバリエーションの多さに驚くと同時に、手を加えようとすると、どうしたら良いんだろう……と悩み、手が止まるのでは無いでしょうか。どんなバリエーションがあるのか気になった方は、RMライブラリー「魚梁瀬森林鉄道」に目を通すことをオススメします。機関車の資料としてだけでなく、当時の空気が伝わる情景写真も多く見応えたっぷりです!

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話を戻して、そのRMライブラリーやフォロワーさんから頂いた画像、検索して見つけた画像を色々と見比べて、最小公倍数というか最大公約数というか、とりあえず「この部分はこの機関車!」と言えるだけのディテールを拾い集め、最大限の手抜きチョイスをして完成させたのが、この谷村です。

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追加工した箇所で1番目立つのは、このリアでしょう。元の部品は使わず、真鍮板とペアーハンズの東武アンテナ、コード40のレールを付けた部品を主に、φ0.3の洋白線で手すりを付けたりしてまとめました。これの元となった写真はRMLの表紙をめくった1ページ目にあります。蛇足ですが、ヘッドライトがオフセットしているのは代燃装置の炉を避けたためだと思われます。

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その他の言い訳と加工箇所・使用部品については、ざっとまとめると以下の通り。
・ロッドは丸棒タイプが圧倒的多数を占めるが普通の平棒タイプも存在していた(こちらを参照)ので製品のまま。
・プレート動輪の写真が見つけられなかったので、K氏の30HPコッペルの部品を使用。ロッドピン、連結器も同様にK氏の特製品(分けて頂きありがとうございました!)
・板っぽさを消すため、ホゾ組部分や端梁・床板を中心に加工。ステップは実車をみるとほとんどの場合付いていなかったようなので省略。
・ヘッドライトは良い市販部品が無かったためワールド工芸の分売部品を使用。本体が1つ300円、レンズは100円。サービスセンターに問い合わせれば買うことができます。
・ドアに関しては床板側に下部ドアレールを新設。
・塗装に関しては、RMLではダークブラウン、モデルワーゲンの野村組の製品紹介によれば濃いオレンジとあるので、退色したyoutubeのカラー映像も参考にしつつ、モデルワーゲン(西氏?)説の濃いオレンジを目指してMr.カラーのオレンジをベースに、極少量のブラウンとレッドを足した調色塗料で塗装。実際は錆止めに近い色だったのかもしれませんが、錆止め塗装ではあんまりなので模型的見栄えを優先しました。動輪、台枠が黒いのも同様の理由で、実車は車体色であったと思われる写真が多く残っていることも付記しておきます。

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そんな感じで完成した谷村ですが、如何でしょうか? 木製の部分の塗装にはまだ改良の余地ありといった感じですが、そこそこ上手くまとめられたと思います。代燃装置も載せたいよね……と思う方はきっと多くいるでしょうから、誰かが発表してくれるのを期待しています。というのも、あくまで私が個人的に模型を製作する上で大事にしているのが「ディテールの意味を理解する」という事で、言い換えれば1/1にしたとき走るような外見でありたい訳です。となれば当然、実物の構造を理解していないといけないわけで、そのためには木炭を用いた代用燃料装置を理解しないといけないわけですが、今のところ全く知識が追いついていません。あの一見スチームパンクにも通じる外観はとても魅力的なのですが、手がけるのはまだ先のことになりそうです。

最後におまけとして、これの前に組んだ素組の谷村の写真も貼っておきます。手を加えなくてもプロポーションが良いので十分に格好良いことが伝わると思います。谷村鉄工所GL、あなたならどう料理しますか?

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2016/12/06

コンさんのポーターも製糖工場風に仕上げた話

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「元々はこれと同じのがもう1両いたんだけど、力不足だし痛みも激しいから、新しいのが入った時に1号機の部品取りにして廃車したんだ。あそこにあるのが元2号機さ」

そんな筋書き、もとい言い訳をでっち上げて我が製糖工場の主、ポーター1号機の紹介です。

もはや解説するまでもないと思いますが、これはコンさんこと今野氏がコッペル30HPに続けてリリースされたガレージキットを組み立てたものです。主な変更点はシリンダーブロックの固定方法で、それ以外は細かな点を除いて素組です。詳細は例によってTogetterでまとめましたので、こちら(→コンさんのポーターを作る!【完成】 - Togetterまとめ)を参照してください。



この記事では、ツイッターではあまり触れなかった、この機関車の嘘を白状しておきます。

この機関車には大きな嘘が2ヶ所あります。ひとつは塗り分け、もうひとつは煙突です。

塗り分けのどこが嘘かというと、ずばり台枠です。台枠と動輪は同じ色のことが多いのですが、明るい色だとプラフレームの分割線が目立つので黒にしちゃいました。でも下回りは赤でアクセントをつけたかったので動輪は赤です。

もう一点の煙突はというとーー見る人が見ればピンとくると思いますがーー製糖工場・シュガーラインの中でもインドネシアのジャワ島にモチーフを求めた作例の場合、ストレートではなく西大寺コッペルのような「らっきょう」タイプが妥当なんです。これは燃料にサトウキビの搾りかすを使っているからで、そうしないと火の粉で沿線火災が多発してしまいます。

でもまぁ、あくまで模型ですし、なにより私はストレート煙突の方が好きなので、面倒な加工までしてらっきょう型をつける道理もありません。先に紹介したコッペルがストレートタイプだったのも後押ししてあっさり割り切りました。

この2点、見る人が見れば気になって仕方がないのかもしれませんが、仮につっこまれたらドヤ顔でこう答えます。

「でもこの方が格好いいでしょう?」

格好いい悪いの基準は人それぞれですが、それはさておき「どこが違う」「あそこが違う」という指摘が無粋だと感じられるほど、格好の良い模型が作りたい、と最近は思ってます。

もっとも、私の周囲にそんな無粋なことを言う人は居ないので、あくまでも心がけの話です。

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2016/10/29

トーマモデルワークスのコッペル・頸城鉄道2号機を製糖工場風に仕上げた話

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軽便祭お疲れ様でした!(今更すぎる挨拶)

さて、軽便祭での展示も無事に(?)終え、その雑感をまとめようと思っているうちに10月がもう終わりそうです⁈ 本当は「見る人を意識した作品を作りたいな!」「もっと鉄道模型工作派モデラー増やすためにも!」みたいな記事を書こうと思ったのですが、どうも説教くさい上に、お前はそういう作品を作れもしないのに何様のつもりだよ!という感が拭いきれないのでこれはいつかの機会に譲り、今回も車輌工作の話題です。

今回のキットは題名から分かる通りトーマモデルワークスのコッペル・頸城鉄道2号機です。

かつて「くびき野」を駆け抜け、その後は埼玉の遊園地で奇跡の復活を遂げたアラン式Cコッペルの人気は高く、その本格的なHOナローのモデルは長らく乗工社の完成品のみでプレミアも付いており、もちろん手は出せませんでした。そこに彗星の如く登場したのがこの製品です。価格も本格的な蒸気のモデルとしては控えめで、組みやすさには定評のあるトーマモデルワークスの製品です。一も二もなく飛びついたのは言うまでもありません。

しかし、カシメの必要な弁装置をはじめ、一筋縄ではいかなさそうな雰囲気もあり、失敗がこわくなかなか手をつけられなかったのですが、コンさんのコッペルを作った勢いで、この流れならイケる!と着手に至ったのでした。

途中で少しばかり寄り道をしたため間が開いていますが、概ねすんなりと行った組立の顛末は例によってこちら(→ トーマモデルワークスの頸城鉄道コッペル2号機を組む【完成】)をご覧ください。

先に述べた通り、コッペルの中では「超」がつくほど有名なこの機関車。もちろん素晴らしい作例が先にあり、その真似をしても面白く無いなぁと思うのが正直なところ。そこで!今回は敢えて頸城から離れ、東南アジアの方へ行ってもらうことにしました。東南アジアには製糖工場の専用線がいまなお存在し、数を減らしながらもSLだってまだ現役!むろん、カラー写真が多く公開されており、資料に困ることはありません。それをモチーフに化けさせようというワケです。

専用線というのは、日本のものでも多くの謎が存在します。海外ともなればそれは尚更で、実在するとは言ってもそこはもうフリーランスの世界です。ここ20年くらいはまだしも、このようなコッペルが活躍していたかもしれない50〜60年前ともなれば未知の世界に他なりません!尤も、その時代にこのようなカラフルな色に塗られていたのかは少々疑問ですが、それっぽく見えれば良いだろうという、大らかな気持ちで楽しむことにしました。

そうして出来上がったのがこの機関車です。どうでしょう……東南アジアにいそうな雰囲気に仕上がっているでしょうか?拡大するとデッキと床板に隙間が開いていのが分かってしまいお恥ずかしい。あとで直します。SLの模型で有名なK御大はカラフルな仕上げが信条と仰っていましたが、その気持ちがちょっと理解出来た気がします。今までは黒一色が信条でしたが、いざやってみたら、なんとも楽しいではありませんか!なんでもやってみるものだと反省しました。ただ、今回はモチーフに合わせて埃っぽいウェザリングを施しているので、その点ではやはり好みが異なると言えましょう。私は、愛され使い込まれた機械がこの上なく好きなのです。汚れは現役であることの勲章だと考えます。まだまだそれを表現するには至っていませんが、いつかはそんな表現だと自信を持って言える仕上げを目指したいですね。(つまり錆び錆びの廃車体が動くのは好みではありません。ストラクチャーなら話は別ですが……)ナンバーはキットに付属のものをそのまま使用し「No.2」としています。これにはちゃんとした狙いがあります。そう、2号機が居るからには1号機もちゃんと居るのです。頭の中にネ!

というわけで、現在はこの何処かの製糖工場の1号機を鋭意製作中です。B型サイドタンクのかわいいアイツです。そうそう、製糖工場の機関車を作ると言ったら、父が「だったら地面を作っても良いなぁ」と張り切り、そちらも現在進行形で製作中です。

来月末、遅くとも再来月のはじめには合わせて公開出来ると思います。お楽しみに!

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2016/07/26

ワールド工芸のホイットコムを組む

一ヶ月以上更新が開いてしまいました!
というわけで、とにかく記事を書いて更新です。
ネタはあったのです。
ネタはあったのですが記事にまとめるのが後手後手にまわり、
いつの間にやら一ヶ月……。

気を取り直して、今回はワールド工芸のホイットコムです。

まずは製品の紹介から。
去年の軽便祭に合わせて発売されたイベント企画品ですが、今でも通販で入手することが可能です。この手の動力付きの金属製の製品としては破格とも言える低廉さで、販売時は値段の安さからディスプレイモデルと勘違いされた方も少なからずいた模様ようです……。

この価格なら手を出してみようかな?という方も、いるのではないかと思います。
否、いて欲しい!

折角の廉価な製品ですから、組み立てやすいのであれば入門にもうってつけ。
どのように組み上がるのか過程が分かれば、手も出しやすくなるのでは無いか。 という目論みもあり、どんなキットなのかの紹介も兼ねて、今回は組立の様子をなるべく細かくツイッターで呟き、まとめてみました。
ワールド工芸のホイットコムを作ってみる - Togetterまとめ

結論から申しますと、ハンダ付けが必須と思われる場所がいくつかあるので、全くの初心者にはおすすめしません。
やはり、1番最初に金属製品を作るのであればアルモデルの「とて簡」シリーズ等から手を付けた方が良いように感じました。
もし興味があるなら、接着剤でも組めるキット(接着剤が「前提」のキットは避けた方が良いです)をハンダ付けで組んでみて、ハンダ付けにも慣れてから作ってみると良いかもしれません。
芋付けを求められる箇所は基本的に無いので、位置決めに困る事はありません。

まとめにはハッキリと書きませんでしたが、ひとつ不満があるのは動力の性能に関して。
とは言っても、値段を考えたら納得の性能なので、不満というには酷である事を書き添えておきます。

動力装置は、同社のNプラキット「貨車移動機」の流用で、1軸駆動でギヤ比もほとんど稼がれていません。
よって、素組ですと低速性能と牽引力に関しては殆ど期待出来ません。
(もっとも、走りに関しての感覚は人によって大きく異なるので、これの何処が不満なんだ!という方もいるかもしれません。これはあくまでも私の主観です。)
ウエイトを追加すればいくらか安定はしますが、根本的な解決にはならないので、出来るのであれば2軸駆動の動力を自作して取り替えるのが理想です。
先ほどの「まとめ」の一番最後に補重した上で試運転をした動画がありますので、良ければ参考にして下さい。

最後に、これまたまとめでは端折ってしまった塗装について。
プライマーは、車体と台枠に関しては「マッハのミッチャクプライマー」、軸箱部品とラジエターグリルに関しては「いさみやカラープライマー(黒)」車体の緑はGMカラーの湘南色の緑を。
色差しはタミヤエナメル。ヘッドライト、排気管共に黒で塗ったあと、ライトのリムにはシルバーを、排気管は薄めたシルバーを使用してラメだけ乗せました。
ウェザリングは、全体をMr.ウェザリングカラーのサンディウォッシュで軽くウォッシングした後に、エアブラシでMr.カラーのサンディブラウンを台枠裾に吹いて巻き上げた砂埃を表現。
最後に艶消しコートで全体の調子を整えて完成です。

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