2016/05/30

アルモデルとワールド工芸の「加藤4t」を並べてみる

すっかり更新の怠け癖がついてしまいました……。
それはさておき、今回は加藤4tの作り比べです!

産業用機関車の中でもとりわけ大きなシェアを誇っていた加藤製作所の小型機関車。
模型化にも恵まれ、様々なタイプが色々なメーカーから発売されています。
今回は、その中でも同じ商品名でアルモデルとワールド工芸の2社から発売されている
「加藤 4t」がどれくらい違うのか、ふと気になって作ってみました。

製作ポイントは一番最後にまとめますので、比較は別に……と言う方は途中は読み飛ばして下さい。

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まずは斜め上から。左がアルモデル、右がワールド工芸です。
両者ではプロトタイプとした車両の軌間が異なるようで、幅の違いから来る全体のバランスの差が思ったよりも大きいです。
→諸先輩方に、このクラスの機関車は、軌間にかかわらず共通台枠であると教授していただきました。よって、正しい寸法の製品はアルモデルで、ワールド工芸は太すぎるというのが真相のようです。

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真横から見てみましょう。左がワールド、右がアルモデル。
アルモデルの方は海軍に納入された車両がモデルなので海軍マークが入っています。
その他にも、ボンネットカバーの留め具の有無や、スリットが抜けているか否か等、ディテールの細かな差が興味深いです。
キャブのドアは、ワールド工芸の方は選択式で付ける事も出来ます。付ければモーターを多少隠す事も出来ますが、後妻は開放状態のものしか含まれないので、この辺はお好みですね。

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次はお顔。
ヘッドライトの位置はキャブとボンネット上面でどちらのメーカーも選ぶ事が出来ます。
ラジエターグリルの保護棒の数の差など、かなり印象が異なりますね。
右側ワールドの台枠はロスト製、左側アルモデルは板製。アルモデルの方のデフォルトはKDカプラー等を取付けられる
ような切り欠けがあり、おまけとして塞ぐ部品が入っています。今回はそれを利用しました。

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テールです。
こちらも想像以上に印象が異なります。右側ワールドの方は、塗装まで終わった段階で連結器のピンの穴を広げようと下からモーターツールでドリルを入れた所、あっさり貫通、オーバーランして車体を少しえぐり……orz
とりあえずウェザリングでそれらしく誤摩化しました。言わなければわかりませんよね……?

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最後に、製作ポイントのまとめを。

・アルモデル
作りごたえはありますが、部品の合いは良く、動力装置も組立済みかつスローが効くので、同社の「とて簡」には敵いませんが初心者にも勧めることができます。

手すりや排気管等はキットに含まれず、取付の穴も開いていません。しかし、裏面にはしっかりと穴開け用の溝が掘ってあり、ディテールアップは容易です。ボンネットの曲げも手で行えるよう柔らかさが工夫してあり感動モノです。ボンネット上面は曲げのための筋が浮くので、サンドペーパーで角を落とすと見違えます。

手すりについても、曲げのための治具がエッチングに含まれていて至れり尽くせりです。今回は、ラジエター保護棒とボンネット側面の長い手すりに関しては治具を利用して曲げた洋白線φ0.3、ボンネットカバーの小さな手すりは「高さを揃えるのが楽」かつ「ひげ付き」ということで手持ちのあったタヴァサPT052を利用しました。

排気管は、エコーモデルの外径1.0×内径0.5のパイプに銀河モデルの信号炎管(N-010)を差し、上面を平らに仕上げてキャップに見立ててみました。ボンネットへの取付は1.0の穴を開けて直接でも良いのですが、角度の調節が楽なようにボンネット側の穴を0.5mmで開け、同じ太さの真鍮線を植えた所にパイプを差し込んで固定しています。これなら多少傾いていても、ロウ付けした箇所をあまり傷めずに曲げで調節が出来ます。

給油口の蓋についても、先ほどのキャップと同じ銀河の信号炎管の頭を平らにしたモノです。

ヘッドライトはホワイトメタルの部品が付属しますが、あまり見栄えが良くなく半田付けも出来ないことから、ボンネット側はワールド工芸の4tに付属のモノを、キャブ側は特製の挽物をドリルレースして良い塩梅の大きさに仕上げたモノを取り付けています。ワールド工芸の4tからは、ラジエターグリル下のクランク回しの受け軸も余剰パーツがあったので流用しています。

どちらのキットにも言えることですが、一番の難所は台枠の組立です。アルモデルの方は、KDカプラー用の穴埋めさえしなければ比較的容易に仕上がります。私は軸蓋のKSTや、台枠角のボルト表現(アドラーズネストの六角ボルトSS)も付けましたが、こだわらないのであれば省略するのも一つの手でしょう。

定価もおよそ8000円と、この手の金属キットの中では破格の安さであり、組応えはありますが組み辛くはない名作キットであると思います。惜しむらくは市場流通在庫が少ないことでしょうか……イベントや直販、問屋取り寄せなら普通の模型屋さんでも入手できると思うので、気になっている方は是非手に取り、作ってみて欲しいモデルです。


・ワールド工芸
ずんぐりした憎めないブサかわいいプロポーションのモデルです。

私的には組みやすさに定評のあるワールド工芸の製品。このモデルも決して組み辛くはないのですが、比較対象のアルモデル製品が組みやすすぎるため、すこし辛い評価になることをお許しください。

ボディに関しては、ラジエター保護棒とボンネットの長い手すりをφ0.4の洋白線に変え、ヘッドライトをエコーモデルのお椀型ヘッドライトに、排気管をエコーモデルの外径1.2のパイプで先端を1.0のドリルでさらって肉薄にして付属の蓋を芋付けしたものに交換した他は素組です。

台枠は、端梁と軸箱がロスト製で、他はエッチング抜きの部品を組み立てる同社お馴染みの構成です。なぜか軸箱がロストなのにもかかわらずKSTの刻印は別抜きのエッチングを貼り付ける必要がある他、ブレーキレバーの取付軸が露出しているディテールの向きが前後逆に指定されていたり、もうちょっとなんとかならなかったのかなぁと、惜しい部分が散見されます。KSTの刻印についてもあまり鮮明なエッチングではなく、こちらはアルモデルの余剰パーツを使っています。連結器ピンの位置もキャブの内側だったり、クランク回しの受け軸がピンの外側指定になっているので、おそらく実物を知らない方が設計されたのだろうとは思いますが、少し残念です。

動力は最近の同社がよく採用している方式で特筆すべき点はありませんが、モーターがあまりにも低い電圧で回ってしまうため、手持ちのあった120Ωの抵抗を2個直列でつなぎ240Ω噛ませてるとまぁまぁ良い具合になりました。新しく用意されるなら250~300Ωくらいが良いと思います。

組み終えれば愛嬌のある顔にほっこり出来るモデルですが、なぜだか組んでいる途中はつらくなってくるキットなので、お勧め出来るかというと……。

・塗装について
塗装はマッハのミッチャクプライマー→タミヤのホワイトサーフェイサー→モデルワーゲンの重機イエローです。
ヘッドライトとラジエターはタミヤエナメルの艶消し黒、排気管はタミヤアクリルの焼鉄色(手持ちが無かっただけで、ここもエナメルの方が良いです)、ライト内側もこれまたタミヤエナメルのシルバーです。乾いたら、あるものはライトレンズを入れ、無い箇所に関してはエポキシを盛り、乾燥後、一旦艶消しのトップコートで塗料の定着をさせます。

・ウェザリングについて
ウェザリングは今回はMr.ウェザリングカラーのみで行っています。
軸箱や端梁油、錆はグランドブラウン、石灰の白っぽさはマルチホワイトを使っています。ウェザリングだからとケチらずに、良い面相筆と平筆を使うのが、小さなモデルで繊細なウェザリングを行うコツです。この際、下地を艶消しで仕上げておくと、毛細管現象で滲みなどの表現がしやすくなるメリットがあります。と同時に、一度塗ると専用溶剤でも完全には落とすことが出来ないデメリットもあるので、この辺は自分にあった方法を模索するのが良いのかもしれません。

このMr.ウェザリングカラーを使ったウェザリング方式も、だいぶ板についてきたので、遠からず細かにまとめたいと思います。

このMr.ウェザリングカラー、言ってしまえばウェザリングに適した濃度に調節された油彩絵の具なので、そのままだとベタベタして指紋がついてしまいます。すべての作業が終わったら面倒でもクリアコートをかけてあげましょう。


だいぶ長くなってしまったので、これで終わります。
何か質問があれば、気軽にコメントしていただけたらと思います。
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