2016/06/17

高塚営林署とシーライオン工房の「加藤2.5t」を並べてみる

201606152138490db.jpeg

前回に引き続き加藤の機関車のご紹介。
タイトルの通り、今回は驚異の小ささを誇る2.5t機です!
加藤の小型機関車の中でも一般的なのは3tまで。それ未満の機関車もそれなりの数が納入されていますが、そのほとんどは鉱山向けの防爆型といわれる機関車であります。
その3t未満の中でも特異な存在なのが、今回ご紹介する、この「森林鉄道」向けに製作された2.5t機です。

どのような経緯で2.5t機が発注されたのかは知る由もありませんが、兎に角、新宮と鳥取の営林署に1両ずつ納車されたことは間違いないらしく、そのことが伊藤誠一氏の「林鉄の軌跡」に書かれています。

2016061521385108a.jpeg

製造番号27706・27707にあたるこの機関車、新宮の方に関してはベールに包まれているものの、鳥取は畑ヶ平(はたがなる)の機関車は氏の調査によってある程度来歴が明かされています。
氏の文章をお借りすると

『塗装は黒一色。鋳物台枠の立派なL型。正面一枚窓(我々趣味者の言う三昧窓の事だと思う)で、扇子ぐらいのワイパーが中央についていたそうだ。ドアは一般的なスライド式が付き、後妻は2枚の引き違いだった。』(ないねん出版「林鉄の軌跡」p.102より引用)

とのこと。

20160615213853172.jpeg

畑ヶ平の機関車は不幸にも納車3年で転落事故に遭い廃車となってしまったらしく、写真は見つかっていません。
そんな写真すら見つかっていないこの機関車ですが、信じられないことに模型化には恵まれ、10年ほど間を開けて2社からキットが発売されています。
一つは2005年に発売された「高塚営林署」という高塚氏のプライベートブランド。二つめは2015年末に発売されたシーライオン工房のキットです。
目のつく特徴を挙げると、高塚営林署の方はボンネットカバーが閉まった状態で、高さも低く、背の高いキャブが際立つ精悍なスタイル。シーライオン工房の方はボンネットカバー全開でエンジンが入り、ボンネットの高さも高く、寸づまりで一寸かわいい印象であります。

2016061521385302d.jpeg

高塚営林署のキットはヘッドライトの位置、後妻の窓の有無が選べる仕様になっているので、折角だからとシーライオン工房とは違う形態を選んでみました。
このなんとも可愛らしい機関車、残念ながらどちらも現在では入手が難しいのですが、もし中古で見かけて悩んだら、もしくは棚で寝かせている人がいたら、是非とも完成させて欲しいと願いを込めて、製作メモも少しばかり残しておこうと思います。

20160615214025c1f.jpeg

まずはシーライオン工房のキットから。
メーカーの完成写真をみるとわかるのですが、このキットの一番の問題点は「車輪の軸端」と「台枠軸箱の中央」が著しくズレで腰高になっていることであります。
その原因は、動力ユニットの上に台枠が乗り、さらに車体が乗るようになっているからなので、私の作例では、台枠の床板をギリギリまでくり抜き、本来は「動力ー台枠ー車体」となる配置を「台枠ー動力ー車体」と位置を逆転させることで解決しました。

20160615214027ffd.jpeg

先ほどの床板を限界までくり抜いた台枠に動力ユニットを上からはめた図です。少し残した部分の意味がよくわかると思います。

20160615214025d83.jpeg

このままでは台枠はストンと落ちてしまうので、台枠と動力ユニットの固定板を写真のように追加しています。
2ヶ所のU字のくり抜きは、台枠と車体を留めるビスのため。ビスはM1で、プラ板では直ぐにねじ山がつぶれてしまうので正方形に切った真鍮板(t0.4)を貼り付けています。プラを使っているのは言わずもがな絶遠のためであります。
また、写真は取り付ける前ですが、後ろ側が垂れ下がり気味になってしまったため、動力ユニットの後端ビスの傍に洋白線を半田付けして、台枠床板を挟み込んで下がらないような処置を後に行っています。

201606152140237ca.jpeg

201606152140227c0.jpeg

対する高塚営林署の方は、これといって特筆すべき点は無く、同封の説明書に従えば見本通り組みあがります。
マニア向け中空車輪の挿入や、細かい作業が多く、難易度が低くはありませんが、一つ一つ確実にこなしていけば、しっかり組みあがることと思います。
唯一説明書に図示されていなかった捕重に関しては、バランスも考えた上で、写真のように追加しました。
二つのキット共通の変更点として、ラジエター保護棒・ボンネットの長い手すりを洋白線に置き換え(曲げジグはアルモデルの加藤4tのものが使える)ています。

塗装は、いさみやのカラープライマー(黒)、白文字の色差しはファレホのホワイトをカステンのアイフィニッシャーで。
シーライオンの方のエンジンと排気管はタミヤアクリルのガンメタルで軽くドライブラシ。
ウェザリングはMr.ウェザリングカラーのサンディウォッシュ、トップコートはつや消しで、台枠と車体下半分にはほんの少しサンディブラウンを混ぜたものを吹き付けてニュアンスを出しました。
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント